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BASI
ヅッチーはこのごろ音楽聴いたりしてるん?

伊瀬
しますよ。車で移動するときとか。

BASI
新しい曲とか?

伊瀬
新しい曲とかは興味がないです。知らない人達が作っているものは。やっぱりお金が中心になって、知らない、見えない人たちが作っていくトレンドとか価値観っていうのを信用できなくて。興味の対象にしてないです。オレは関係ない、って思ってます。

BASI
うん。興味湧けへんよな。

伊瀬
そういうのよりは、世の中の評価が「駄作」だったとしても、直接つながってる人とか、友達が出すCDを買ったり、ダウンロードしたり、そういうのを大切にしたいですね。

BASI
身近なものから。

伊瀬
知らないおじさんたちが「コレいいぞ」って作ったものは信用してないです。

BASI
オレも全く興味ないわ。

伊瀬
全然届いてこないです。でもそんな中でも、メジャーなものでも引っかかるものがあって。1980年くらいの懐メロとかですね。

BASI
歌詞がほんま、すごいもんな。

伊瀬
なんでかなって考えると、そこが原点やからかなって思うんですよ。
子どもながらに、無邪気に耳に入ってた、自分だけのセピア色の時代というか。僕81年生まれですけど、不思議と70年代とかになると、名曲って言われてるような曲でもグッとくる感じが違うんですよ。やっぱり自分が誕生した年あたりが節目で。「どうあがいてもオレはそこから離れられへんねや」って思います。BASIくんは日ごろどんなの聴くんですか。

BASI
オレも同じようなとこはあるなあ。今、ひも解いてくれたように、オレも作られたもの、新しいものには興味が行かない。別にわざわざ拒否してるとかじゃないけど、入ってこないだけで。

伊瀬
昔の歌を聴いてると、言葉に力があるっていうか、生きてるなって感じがします。

BASI
うんうん。

伊瀬
懐メロも演歌もそうですけど、一番わかりやすいのは童謡やと思うんです。パンチラインだけでできてるでしょアレ。

BASI
そやね。

伊瀬
ポッポッポ、ハトポッポ、ですよ。何?「ポ」とか何なん?って。「ポ」てなんやねん、でもわかるわかる、みたいな。どんなに言葉を尽くしても「ぞうさんぞうさん、お鼻が長いのよ」になかなか勝てないと思います。

BASI
ストレートすぎるなあ。

伊瀬
スタンダードです。

BASI
うん、スタンダードやわ。『スタンダード』も「日本語の響きって、ええやん!」って思わせたいっていうモチベーションで書いたところもあるなあ。最終的にはやっぱり「日本のミュージシャン」でいたいから。

伊瀬
すごい、いいですね。

BASI
「昔のものって、刺さるよな」って、最終自分も言われたいから。そういうミュージシャンでありたい。これからの自分の目標はそんなんかな。

伊瀬
そんな人が身近にいてくれて嬉しいです。

BASI
いえいえ。

おわり

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