伊瀬	制作の段階でそういう感覚になっていったんですか？作ってる途中で「あれ、おいおい、今回のアルバムはいつもとちょっと違うぜ？」 っていうような。
BASI	制作段階では、うーん。より多くの人に届いて欲しいっていう切なる願いがあって。まあそれは今までと同じやけど。
伊瀬	今までと違う感覚、不思議な気分みたいなのはありました？
BASI	「VOICERATION」はワンプロデューサーで。Small Circle of Friendsの東里起さんのオールプロデュースで、他のビートメーカーは一切入ってなくて。「東さんのビート対、自分のリリック」っていうアルバムやから。なんかその、ジャストフィットしすぎたっていうか。
伊瀬	なるほど。
BASI	一枚を通して、こう、キレイに筋が通り過ぎたような作品やったから。そういうのは初めての感覚やったかもしれん。

伊瀬	「こういうアルバムにしたい」っていうイメージは先にあったんですか？
BASI	最初は「ダークなアルバムを作りたいなー」っていう具合にしか考えてなかったかな。
伊瀬	作り進めているうちに「おお、フィットしてるやんけ」って感じていくわけですか。
BASI	最初に自分が思い描いてたよりは、少し光が射したような作品になったけど、いいものができたから。 ここから、なんか、下がっていったらイヤやな、とかもあるかなあ。
伊瀬	いやあ、そんなことはないんでしょうけど。
BASI	自分も当分この作品を楽しんでみたいっていうのはあって。いまだに、リリースして３か月くらいになるけど、また新たにアルバムの中から１曲選んでPV作ってたりもするし。当分この作品を押していきたいっていうのはあるんかも。
伊瀬	1stから2ndと、立て続けにリリースした理由ってあるんですか？
BASI	ほんまにちょうど一年前やねんけど、「BASIC MUSIC」っていう自分のレーベルを立ち上げて。やっぱり、なんか、レーベルとして、ライブとかリリースその他もろもろを回していく姿勢っていうのを見せようとしてたら、立て続けに２枚出すっていう形になってたかな。
伊瀬	ああ、新しく立ち上げたレーベルの動きとして。。じゃあ1stと2ndで世界観がガラッと変わりますよね。1stはなんか、バーベキューとか河原の草野球とかといっしょに楽しめそうなイメージですけど、「VOICERATION」は、なんやろ。夜のリゾートホテルとかにも似合いそうな。スペースシャトルで宇宙行くときとかにも聴きたいようなイメージで。
BASI	それは東さんの力がだいぶ入ってるね。音から言葉を作っていくから。音を聞いて、「大人っぽい」とか「スーツ」とか、ジェントルマン的な言葉が出てきたかな。そうやって、音を聞いて連想ゲームみたいに言葉を集めていったら、さっき言ってくれたみたいな、「夜、静かなところでも聴ける」みたいなものになっていったのかもしれへん。
伊瀬	じゃあレーベルを立ち上げた段階で「1stは明るい感じ」「2ndはちょっとシックな感じで」っていうような構想があったわけじゃないんですね。
BASI	全くない。今回ビートを提供してくれたのが東さんやったから、そういう世界観のアルバムができたってことやから。

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