TAIDAN_VOL2_TOPTAIDAN_VOL2_TOP2


伊瀬
『VOICERATION』にしても、「なんでこんなアルバムにしたかったの?」って聞かれても、根っこのところはわからないんですもんね。「そうなってしまったねん」っていう感じでしょうし。

BASI
そうなってしまった、っていうのが近いなあ。無理やり説明するなら、ダークなものをカッコよく見せるのって難しそうやから挑戦したいな、っていう。『RAP AMAZING』は自分の中ですごいカラフルな作品やから、
2枚目はダークな感じにして、ダークな中にあるクールさを見つけて、それをちゃんとアウトプットできたらひとつレベル上がるんちゃうかなって。

伊瀬
でもレーベルとしてリリースに至らしめるっていうのは、個人的な思いつきだけでは実現しないんでしょうし。カッコいいものを作って、しかもそれをリリースして、多くの人に喜んでもらって売り上げにしないといけなくて。

BASI
うん。そういう要素も入ってくるね。やっぱり自分に課題出したり、それをクリアできるんか、ってとこで興奮したり没頭したりするタイプやから。予定調和なものが年々興味なくなって。そこに生まれるハプニングとか悩みとかの方がなんぼか「音楽やってる」って気になれるから。それの連続かな。

伊瀬
なるほど。で、その連続が今止まり気味ってとこが、リスナーからすると余計に「次は何が来んの?」って気になります。

BASI
そうかも。このアルバムが「あ、あそこもうちょっとこうしといた方がよかったかもなー」っていう作品やったら、それが糧となって3枚目が作れたかもしれへんけど。

伊瀬
ああー。

BASI
そんな人っておるんかなあ。オレほんまに周りの意見はさておき、自画自賛になるかもしれへんけど、自分の中でこのアルバムに対して納得してんのよ。

伊瀬
それってすごいことなんじゃないですか。

BASI
そういうの今までなかったし。だからオレ今Jambo Lacquerとかに期待してたり、「どんどん行け行けー」ってなってるんかもなあ。

taidan6

伊瀬
でもBASI君個人として、先はまだ続くわけでしょ?今すぐに「次これしよう」っていうのが湧いているわけじゃないにしても。

BASI
毎日チームでそういう話はするよ。「次の作品はどんなんにしようか」って。でも結論は出ず、毎回アイデアは出し合ってるけど、全然着地はしてない。

伊瀬
今、興味あるものとか心が動かされるものって何ですか。

BASI
ライブ。ライブはそういうこと考えんでいいやん。スポーティなもんやん。

伊瀬
同世代の人とか、同じラインで活動してる人とかにも影響されたりするんですか。

BASI
こないだ見たSHINGO★西成さんのライブは、むっちゃ強烈やった。

伊瀬
どういう風にですか。

BASI
なんかもう、生き様が。あとOLIVE OIL。OLIVE OIL氏は、音がヤバかった。

伊瀬
ヤバい、の一言ですか。

BASI
なんかオレ、そんな言葉になってしまうねん。

伊瀬
いや、でもそれ以上言えないですよね。

BASI
そう。ヤバいっていうのをなんか違う言い方で言おうとすると、なんかウソくさくなるからいつも言葉に困るねんけど。ほんま、それしか言われへんようなステージやったからね。

伊瀬
そうなんですね。

BASI
作品つくるのには苦労するけど、今ライブはめっちゃ面白い。BASIC KITCHENとかでも、普段ライブするような所じゃない場所でライブするし、音の環境もクラブじゃないからバラバラやったりするんやけど、でもそれはそこにしかない音、そこにしかない瞬間やったりするから。
それがライブやし、それが音楽やし。めっちゃ面白い。

伊瀬
いいですね。

BASI
作品を作るってなったら、「どんなトラックで…」とか「どんなこと伝えて…」ってなってくるけど、ライブはダイレクトやもん。
その時の生き様やから。今は作品を作る時間があるんやったら、その時間ライブをしたい。

BACK / NEXT